― 片道5万円の一人旅#12―
歴史あふれる街テッサロニキ
翌朝、シャワーを浴びてすぐチェックアウト。
新しい国での観光が待ち遠しくて仕方なかった。次の宿へ荷物だけ置きに行った際にスタッフが「Tea or coffee?」と出迎えてくれたが、その時間すらも惜しいので礼だけ言って街へ繰り出した。
街に出ると、空気がガラリと変わる。
トルコとは違い、ヨーロッパな雰囲気が漂う。石畳、重厚な建築物、街のそこかしこに遺跡がある。陸続きなのに、文化も雰囲気も別世界だった。

イスタンブールのような客引きはなく、落ち着いた空気。
少し寂しさもあったが、それ以上に居心地の良さを感じた。
有名スポットを巡り、特に印象に残ったのはアギア・ソフィア聖堂。外観は地味だが、中に入ると一気に印象が変わる。説明できない迫力と神聖さに圧倒された。この場において宗教とか文化、歴史の知識の有無は関係なく、心を揺さぶられる場所だった。


贅沢と孤独
昼になり食事処を探す。
テラス席が並ぶ洒落た店が多く、ギリシャらしい雰囲気。周囲を見渡すと、どこも2人以上での食事ばかり。「この国では一人飯の文化はないのか」
とりあえずギリシャ料理を食べてみたいので席につき、サラダとイカの串焼き、そしておすすめの白ワインを注文した。最初に来たサラダがまさかの3人前はありそうな多さだった。レタスやハーブ、ネギなどの野菜にオリーブオイル仕立てのドレッシングがシンプルだが非常にうまい。
量の多さと格闘しながら味っているとメインの串焼きも到着。量との戦いになったが、海鮮のレベルも高かった。
そして全部は食べきれなかったが、お会計。
20ユーロと聞くと悪くない金額と思ったが、円換算すると3200円。トルコの倍だった。
「この国で外食をするのは危険だな。」


食後、宿に戻るとテラスで欧米人が談笑し、スタッフも笑顔で挨拶してくれる。友好的な雰囲気だったがどこか居心地が悪かった。理由は単純、自分だけアジア人だったから。欧米人特有の陽気な雰囲気が自分の性格に合わない気がして、距離感を覚える。
さらにこの時お腹の調子が悪くなり気分が沈んでいたので、部屋に篭って昼寝をした。
夕方、少し回復はしたものの気持ちは晴れず、ある決断をする。
「ここで帰りの便を取ろう」
思えば初めての長旅だったしここまで十分楽しんだ。
そう思うと肩の力が抜け、残りの日々を楽しもうという気持ちに変わった。
夕食はスーパーで買ったビールとチキンの飯。質素だがこういうのでいいんだよ。
部屋に戻ると、同室の年配の旅人が声をかけてくれた。彼はフランス人で、定年後にフランスから陸路で旅をしているらしい。昔のギリシャは「とても貧しい国だった」と語りながら、
「若いうちにもっと旅をしなさい」
と言ってくれた言葉は今でも覚えている。私も同じように数十年後に来たら、また違う景色が見えるのだろうか。
外では欧米人たちが酒を飲みながら談笑している。
賑やかな交流もいいが、自分には自分のペースがある。今日の静かな交流が自分にはちょうどいいじゃないか。



コメント
日本に帰ってきたらどうするおつもりですか??
この旅の数カ月後にまた新しい旅をするのです😌