宿の夜と、イスタンブールの二つの顔

トルコ・ギリシャ

― 片道5万円の一人旅#6 ―

宿のホストのホスピタリティ

シャワーを浴びてベッドでゴロゴロしていると、宿のスタッフがジュースをコップに入れて持ってきてくれた。今回泊まっているのは普通のホテルではなく、相部屋のゲストハウス(ホステル)。そのため、こうしたちょっとした交流が自然に生まれる。

スタッフは「どこから来たの?」という定番の質問から始まり、フレンドリーに話しかけてくれた。気づけば共用リビングのソファでくつろぎながら雑談する流れになっていた。
この日は自分一人しか宿泊客がいなかったらしく、拙い英語でもしっかり耳を傾けてくれたのが嬉しかった。おかげで少しだけ英語に自信がついた気がする。

話を聞くと、彼はトルコ人ではなくチュニジア出身。母語に加えて、フランス語、英語、アラビア語も話せるという超マルチリンガルだった。
途中、彼がビールやつまみを出してくれるなど、そのホスピタリティに感動しつつ、深夜まで語り合った。

その中で、自分の経験談として昨夜の出来事を話した。
レストランから宿に戻る途中、「シリアから難民として来た。お金がないので寄付をしてほしい」と書かれたボードを持った家族に声をかけられた。結局その時は無視してしまったのだが、彼にどうすればよかったかと尋ねると、
「彼らは普通に働くより、観光客に寄付を募るほうが稼げるからやっているんだ」と教えてくれた。自分の世間知らずさを思い知らされた瞬間だった。

また印象的だったのは、「日本にはなぜ徴兵制がないのか」「あなたの宗教は?」という質問。普段考えたこともないテーマで、答えに詰まってしまった。
ただ、こうして違う国の人と話すだけで、まったく別の視点で世界を見られるような気がした。
こういう時間を過ごせるのもゲストハウスならではだ。
人と話したくなったらゲストハウス、一人になりたいときはホテル。そんな使い分けもありだなと思った。

お互いの国の硬貨を交換した。上の並びから日本、チュニジア、トルコ

イスタンブールの二つの顔

朝食の準備をする音で目が覚めた。顔を洗うと、昨日のスタッフが朝食を用意してくれていた。自分の予約プランでは朝食は付いていなかったはずだが、ご厚意で用意してくれたようだ。昨夜に続いて、なんとも嬉しいおもてなしだった。

ここにもう数泊してもいいなと思ったが、今日は夕方のバスで次の街へ向かわなければならない。
それでも「出発まで荷物を置いて行っていいよ」と言ってくれたので、再び観光を再開することにした。

今日はイスタンブールのアジア側へ行ってみよう。
この街はアジアとヨーロッパの境目にあるため、船に乗れば簡単にどちらのエリアにも行ける。メトロで海沿いまで出て、船の出発を待つ。
乗り場にいるのは観光客ではなく地元の人たちばかり。どうやらこの船は、日常の足として使われているらしい。

船が動き出した。黒海とマルマラ海をつなぐ細い海峡を抜け、わずか数十分でアジア側に到着。
こちらは観光地というより、地元向けの街並みだ。雑貨屋や家電店が並び、観光客向けの派手さはない。
同じ都市でも、海を隔てただけでこうも雰囲気が違うのかと感心しながら歩き回った。

船上の景色。奥に見えるのがアジア側

特に見どころがあるわけではなかったので、軽くファストフードで食事をとり、再び船でヨーロッパ側へ戻る。
船着き場の近くに昨日おすすめされた宮殿があったため見に行ったが、門が閉ざされていたため、敷地内の時計台を見てから宿へ戻り、荷物を引き上げた。

出発の際、スタッフと話をしたかったが、客の対応で忙しそうだったので軽く挨拶だけして宿を後にした。
バスターミナルへ向かう。メトロでアクセスできる巨大なバスターミナルで、トルコ国内はもちろん周辺国へも行けるという。
ネットで事前にチケットを取っていたのでスムーズに進めるかと思いきや、バス会社のオフィスが並ぶエリアを探すのに少し苦労した。

ようやく目的の会社を見つけると、英語を話せるスタッフがいて助かった。
無事にバスへ乗り込み、次の目的地・ブルサへ出発。

窓の外を眺めると、少しずつ家々の姿が簡素になっていく。
夕日が差し込む車内で景色を見ていると、なぜだかよくわからないけど少し寂しさを感じた。

青空に映える時計台
宮殿の入り口。門は閉ざされていた

コメント

  1. おんちゃん より:

    英語が話せるなんて羨ましい…!
    スタッフとの距離感もなんだか羨ましいなぁ
    こういうホテルに行ってみたい

    コメントしてるのおんJからきた僕だけなの悲しい

    • こういうホテルは海外ならではだね、英語は軽く話せるレベルだけど笑
      コメントしてくれるのはモチベーションになってありがたいから少しずつ固定ファンを増やしていきたい!

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